僕は小学校の五、六年生の頃、とても模型飛行機作りが好きで、学校の運動場とか公園や空き地で飛行機を飛ばして遊んでいました。翼の骨組みが折れたりすると竹籤を買ってきて蝋燭の火で焼いて翼の先端のカーブになるところを作ったりしていました。接着剤もセメンダインが出始めたころでしたが、セメンダインを使わずにご飯をすり潰して接着剤として使っていました。また翼の紙がよく破れるので、習字用の半紙を骨組みに糊付けしてから、口に含んだ水を吹き付けて、紙がしわの出ないように貼りなおししました。近くの公園で模型飛行機が高く舞い上がると、とても爽快な気分になったものでした。
そんな楽しい子供の頃の思い出を呼び起こしてくれた映画「ALLWAYS三丁目の夕日」は昭和33年の頃のやっとテレビが出始めた頃の原風景を再現していました。映画の冒頭から模型飛行機が高く飛んでいくシーンはタイムトンネルで昭和33年に戻ったような気分になり、とても懐かしくいい映画だと感じました。11月の初め「ALLWAYS続・三丁目の夕日」が封切りとなるやいなや、どんな映画になるのか期待して梅田の映画館に見に行きました。昭和34年は東京タワーも完成し、東京オリンピックの決定と同時に高度経済成長時代へと足を踏み入れる時代であった。天覧試合で長嶋さんがサヨナラホームランを打ったのもこの年でした。駄菓子屋さんやアイスキャンディ屋さんそれにベーゴマや大村昆さんのコマーシャルで有名になったダイハツのミゼットが登場し、本当に懐かしい記憶が蘇ってきました。