介護保険や障害者自立支援法に基づく介護(福祉)事業を営む事業者の場合、その生殺与奪は行政がにぎっていると言っても過言ではない。

事業者となるためには行政に「指定」や「委託」を受けなければならないし、事業費の単価についても従わないといけない。

法や制度が変わって事業単価が下げられると経営がしんどくなり、人件費を削りながらやりくりをするなんてことは最近よく見られる。

事業者は全く行政に身を預けるような経営になる。

行政はお金は一方的に減らすくせにあれこれ口うるさいことばかり、というのが事業者の本音だと思う。

もちろんそれが気に入らなければ受けなければよい。

独立独歩で福祉サービス事業者をやればよい。

しかし行政とつながらないことはこの世界では期待できる収入が得られないということでもある。

それはとかく福祉というものはコストがかかる仕事であるのに、それを顧客(サービスを利用する人)への利用料にすべて転嫁してしまったら、結果的にほとんどの顧客は離れていってしまう。

利用者にとっても福祉サービスは日々の生活のために使いたいものなので、利用料が高騰するととても使い続けることはできない。

だからいくら安くても行政から事業費を受け取ることのできる「公的な」福祉サービスを中心に展開しなければ事業者はもたない。

この国の福祉サービス事業者にとって『自由競争』というものはほとんど存在しないと思う。

それが結局どういうことになっているかといえば、サービスの質ではなく経営本位で事業所が運営せざるを得なくなる。

「よいサービスをしたいがそのための財源がない」、「より事業費を稼げる事業・利用者を選別する」または「少々質を落としたサービスをしても事業費は変わらない」ということになっているのではないかと思う。

かくいう私たちも非常に悩まされる問題だ。

なるべくニッチな(隙間)ところを担っていきたいという思いでやってきたが年々厳しさが増している。

私たちの事業所の主たる財源も在宅介護事業での収益であり、ヘルパー不足や行政の意向によりどんどん収益が減っており、とても自主事業を支える経費が捻出できない。

現時点の試算で2008年度は今年度ベースの約1割ほどが収入減となる。

二期連続で大幅な縮減を図らなければならないことに頭を痛めている。

しかしこのままでは終われない。

助成金などではなく恒常的に確保できる自主財源を創出しなければと思う。

行政に対する依存度を(ゼロにするのではなく)どれくらい下げても経営が成り立つのかが今後3年〜5年後にむけての勝負になる。

というわけで来年は「商売」にも精を出そう。

その前にゆっくりお風呂に入りたいなぁ。。。

あわづ