そもそも福祉サービスというものは、人々の暮らしを豊かにするためのものでなくてはならないと考える。
しかしながら実際のところサービスの形やあり方というのは様々で、必ずしもこうあるべきというものではないように思う。
そんなときに必要となるのは『どうあるべきか』ということよりも、『どうありたいか』ということで、これ自身がすなわちビジョン(展望)というものであろう。
いろいろな意見や考え方がある中で事業者やはたまた行政機関や国がどちらにむかってすすんでいくのか、これは実に重要な課題である。
そそて、ビジョンのない者は何事のリーダーにもなるべきではないと強く思う。
けれでも現実には何のビジョンも一切示さず、見ようによっては利己的ともいえる差配をし、まったくリーダーとしてあるまじき行いをしている者がいる。
昨年度より、私たちの事業エリアにあるS市から障がい者相談支援センターの業務を受託したが、一年間の市担当課とのやりとりはまさにそんな闘いの連続だった。
内容よりも形式が大切なのか。
委託事業者は行政機関の下請け業者なのか。
『市の相談支援事業は今後どのようにすすんでいくのか?』、何度問いかけてもその答えは一度も返ってくることはなかった。
もちろん私たちにも到らない点は多々あったであろう。
しかし私たちも市に対して大いなる失望を感じた一年であったことは間違いない。
“官を恐れず、ただその管を恐れる”とは水滸伝にある一節。
非常に後ろ向きと批判を受けるかもしれないが、今は極力争いは避け、地道に仕事を続けていくしかないかと考えている。
そうしてまたいつの日かあらためてこの事業の行く末を話し合いたいと思う。
あせらずに。
あわづ