二十歳の時に脳性マヒ障害者の介護に入りはじめた。
いろんなことが新鮮だった。
多分、今うちに来ているボランティアたちもちょっとはそんな感じなのか。
寝たきりの障害者のおっさんは『介護』についてこう言った。
「ぼくにはプライベートはない」
24時間介護体制を維持するということは一人になるということはない。
常に介護者とは離れられない生活を突き進んでおられた。
これは「生きてることが労働や」と同じくらいおっさんの“名言”だと思ってる。
その言葉を耳にしたときからもう30年近くなる。
現代の「介護」は『プライベートがない』なんてことは言葉にできない。
グループホームのような生活の場だけでなく、訪問介護やなんでもそうだけど、私たち自身は“プライベートの領域”と闘っている。
介護がサービスになったときからわかっていたことだけど。
先日、長いつきあいだったばーちゃんが亡くなった。
ばーちゃんだってプライベートなんてほとんどなかったんだろう。
常に誰かが隣にいる人生。
だけどばーちゃんはそんな人生を全うしたんだ。スゴイよな。
障害者とともに生きるということはどういうことなのか、あらためて考えましたよ。
あわづ