世界のイジメ その3

イギリスのイジメ(続き)

*無記名のアンケートで
 イジメの被害を認める生徒たちの半数が
 家や学校の誰にもそれまでのイジメについて
 話をしたことはないと回答した
 子どもたちは被害について話す事ができないほど
 おびえ、あるいは自分自身を責め
 告発するのに必要な自信をもてないでいるのではないか

*イジメている子どもは理由は何であれ
 感情を押し殺したり感じることをやめてしまった
 子どもたちなのです
 共感することのない子どもたちに育てたのは
 家庭の責任でもあるのです

*イジメ被害者のための主張訓練で
 イジメられる子がイジメにうまく対処できるようになり
 自分に自信を取り戻すことができる
 例えば逃げ出してつらい思いをするのではなく
 『それはしないでほしい。そういう風に触られるのはいやだから」と
 言い返すというふうに
 弱さをはねかえす方向へ後押しする方法はある

*イジメ当事者たちへの直接的働きかけの方法は
 『関心共有法』を用い、イジメの被害者・加害者各人との
 話し合いを進展させ、子どもたちに互いへの寛容を
 促進させるのが目的である〜中略〜
 イジメっ子自身を罰するのではなく
 やったことはいけないけれど
 君自身を否定しているのではないという
 力になるような調停をすると
 彼らが生まれ変わるようなチャンスがある

*イジメ追放活動を盛んに繰り広げている学校では
 イジメの発生が驚くほど減少している
 イジメが減り子どもの自尊心が高まり
 学校の学習の場としての環境が整ってきている

*自分たちの子どもが将来どんな大人になってほしいのか
 イギリスではそれは自分自身をしっかり持ち
 自分の価値観も持ち、他人との関係を積極的に楽しみ
 他人を思いやり、他人の力になれる
 そういう市民性を備えた人間なのではないか
 イギリスのイジメ問題を探るうちにみえてきたものは
 こういったヒューマニティの哲学の存在である

*思いやりと助け合い、民主的な価値観
 そして誰もが意見を述べ、教育を受け
 平和を享受し、安全に毎日を送る権利を持っています
 毎日を安全に送ることが尊重され
 守られることが基本的人権ではないでしょうか
 こういうことは学校だからこそ子どもたちに経験させることができるのです

<カラスウリの実がなっています。これから真っ赤に色づきます>