プログラム駆動症候群ー心をもてない若者たちー その2

三森創著 新曜社

心は「つくる」ものです
心は『つくる』ものですからつくり方によって
こころはもっともっといろいろな優れた働きが
できるようになります。たとえば
*内言という自分だけの言葉をもつことができます
*意味という自由に心の中で動かせる材料をもつことができます
*自分の時間を止めたり進めたりすることができます
*新しい、おもしろいアイディアが頭の中にひらめくようになります
もっとじょうずに心をつくりもっと豊かにもっと楽しく
もっと彩りのある心をつくるほうが
人はきっと生き生きとした人生を送れると思います

心は『つくる』ものです
この認識をはずしてしまうと
心は色あせた固い粘土のようなものになるでしょう
心を理解することも心の未知の可能性を
見いだすこともできなくなるでしょう

しかしまた以下のことも覚えておいてください
心がつくられるものであるならば
心がつくられない可能性も最初から同じくらいにあるのです

ですから心をもたない人間がいても
ぜんぜん不思議ではないのです
このメールが届いている人たちはもう不思議には思っていないでしょう
心はつくるものであるので
*心をつくれば心から行動が起こり
*心をつくらなければ心から行動が起こらないというだけです

いま
心はつくられるものだと考えている人たちが果たして何人いるでしょうか
心理学者といわれる心の専門家においてもほんのわずかしかいません
そうしているうちに心から行動を起こす子どもたちはどんどん減ってゆき
反対にプログラム・ドリブンの行動と奇怪なPDOSの症状が
どんどん増えていきます
もしそれでいいならそれでかまいません
これは大人たちの間の社会的合意の問題ですから・・・・・

わたしは反対です
わたしはわたしと同じ『心をもつ』子どもをつくりたいと思います
マインド・コントロールではない
コンストラクションの作用の真ん中に子どもを置き
彼らに心をもつことを迫りたいと思います

だからといってアンチPDOSの大人がすべきことは
結局家庭におけるわが子の心の設計
我が子の人生設計ではありません
とんでもない!
アンチPDOSの大人がすべきことは
自分たち大人の心の設計です
教育界とマスコミ界と政官財学の大人たちのふるまい方の設計です

子どもの心をつくるためには
子どもの心に直接働きかけても効果がありません
または持続しません
大人の心をつくらなければ子どもの心はつくられないのです
これもまた
子どもの個性伸長や自己実現に絡んで誤解しやすいことです

 * PDOSとは心理的無組織化症候群(心がなくなる症状)

< メヒシバの若い葉は犬や猫の腹薬ですね。数十年前の小学生のころ夏休みの宿題の植物採集でメヒシバを押し葉にした記憶があります。そのころから人が見向きもしないような雑草が好きだったみたいです>