「見守る教育』試してみよう

宮本哲也(算数教室主宰)

ゆとり教育もつめこみ教育も
「子どもをいかに伸ばすか」という発想は同じですが
これがそもそもの間違いで
「人が人を伸ばすことなどできない」というのが
今のところの私の結論です

完成された人間である大人の自分が
未完成の人間である子どもを自分のレベルまで
引き上げようとという考えは間違いであり
傲慢以外の何ものでもありません

確かに大人は知識と経験においては子どもよりも1日の長がありますが
人間としての未熟さという点では大差ありません
学べば学ぶほど世界の広さ、そして自分の未熟さを
思い知らされますよね
私たち大人にできることは子どもが伸びる適切な環境と
材料を提供してただ見守ることだけです

学力とはいい学校に入るために必要なのではなく
よりよく生きていくために必要ななのです
生命力と言い換えてもいいでしょう

〜中略〜

学力を身につけることを生活の最優先にしてはいけません
生活の基盤は睡眠、食事、運動におくべきで
学習は4番目と考えましょう

〜中略〜

「見守る教育」を「見張る教育」にしてしまうと
子どもは絶対についてきません
冷たい目で見張るのではなく
温かい目で見守りましょう
きっと今よりはうまくいくはずです

「見守る教育」は「強い子に育てる教育」でもあります
大人の「信じて待つ」という姿勢も問われます

<ムラサキツユクサが咲いています>