霊長類学の大競争時代に挑む

京都大学霊長類研究所所長 松沢哲郎氏

数字や言葉がわかる「天才」チンパンジーのアイとともに
世界に誇る日本の「サル学」を引っ張ってきた
ヒトとは何なのか
壮大なテーマに挑みながら霊長類学の
さらなる進化に向けて奮闘中だ

子どものチンパンジーの方がヒトの大人よりも
瞬間的な記憶力がいいという実験結果を
昨年末発表しました

想像以上にヒトができることはチンパンジーもできて
チンパンジーに出来てヒトに歯できないことがあった

チンパンジーの能力が高いという科学的な事実によって
「人間は動物と違う」という二分法的な考え方を壊してきました

ゲノム(全遺伝情報)で言えば僕とチンパンジーは98・8%同じ
サルでも92%
植物のイネだって40%は僕と一緒です
地球の生物としてサルやイネとも命がつながっている
37億年 一緒に生きてきた「進化の同胞」なんです

チンパンジーの研究はヒトは特別な存在ではなく
動物のひとつで自然の一部だという実感をもたらす
重要な役割を担っている

<きんかんの実は咳止めになります>