自分を生きる教育を求めて その2

大田尭著 一ツ橋書房より

*学問にとって大切なのは知識のほかに
そういう知識を獲得するための探究の方法と過程
そして何よりも学問すること、探求することの喜び
だいご味でありまして
学問はいわば世界を認識することへの恋心に
その根を持つというべきであります
学問上の知識や方法だけでなく
学問することの実感、世界認識への恋心を
身体の中に入れておくということであります

*子ども達は未熟ではありますが
それだけに本来探求的なのであります
天性、生れ落ちたときから弱いヒトの子は
人間になるために実に活発に探求しながら
遊びながら発達しています
子ども達の眼の輝きは主としてその探究心、探検欲によるのであります

*人間研究の何よりの出発点は
まず自分の人生史というものをしっかりと
見つめることであります
自分が生まれてから今日までに至った
20数年間というものの道ゆきをおそれずに
直視することが人間研究の第一歩だと私は思います
たどってきた道の中にはつまづきもありました
成功もありました
その中でつまづいたことは今後の仕事や人生のために
大きな栄養になるのだ
そのつまづきを自分の財産にしなさい
そのことによって大きな飛躍をしようではないか

<ストックは冬の寒空でも咲いています>