社会学入門—人間の社会の未来 その2

見田宗介 岩波新書より

日本の歴史の中の最大の失敗はもちろん「大東亜戦争」ですが
日本がこの戦争に「突入」していったことのいきさつは
例えばナチスドイツのように強烈な個性を持った「指導者」が
「主体的」に国民を方向づけていったというよりも
丸山真男画「無責任の体系」と名づけているように
一人ひとりが明確に自分で考え、自分で主張するということをしないで
「みんなの意見」に逆らわないように
「時代の流れ」に乗り遅れないように動いていく結果
ひしめいて海に落ちてゆくペンギンの集団のように
戦争に突入していったのでした

現代の日本の「企業ぐるみ」「官庁ぐるみ」の犯罪や反社会的な行動も
内情はこのような「組織のメカニズム」であることが多い

<ネコヤナギも咲き始めました>