「こころ」は誰が壊すのか その1

滝川一廣著 佐藤幹夫編 洋泉社刊より

たしかに古典的な社会が持っていたハードな枠を
今の社会に求めるのは不可能です
必然性があって壊れてきたのですから復興は無理な相談です

仮に復興したら今度はその窮屈さの方に皆耐えられないでしょう
「向こう三軒両隣」といった燐保的な相互扶助システムにしても同様でしょう
そのような形で問題をケアできる「社会のふところ」はもはやありません

しかしだからといってこまったらすぐ特別な専門家へ
精神医療へ解決を任せればよいかと言えばそこはちょっと違います

(青年の問題はできるかぎり精神医療ではなく社会のなかで解決された方が良い
もし社会の持つ解決能力があまりにも乏しくなっているとしたら
それはある種の問題のたらいまわしに過ぎなくなる
「青木省三著 思春期の心の臨床」より)

<ぼたんの花が鮮やかですね>