泣けない子ども 世間体なんか関係ない 藤井あけみ
「泣かないでがんばろうね」
「泣かないでがんばったからごほうびあげる」
こんな言葉が日常的に聞こえてくる場所を
ご存知ですか?
それは病院の小児科です
これらの言葉の大半は親御さんから
たまにはスタッフからも発せられています
その結果子ども達は何を学ぶのでしょうか
「泣かない子は偉い」と言うメッセージにほかなりません
さてここで考えなければいけないことは
泣かないことをなぜ大人は奨励するのかということ
もうひとつ、泣かないように育てられた子どもは
幸せなのかということです
親御さんが子どもに泣かないように要求する理由は
恐らく世間体でしょう
「泣かない子は良い子」という世間の評価を気にするからでしょう
でもそれは子どもには酷なことです
言語的な発達が未熟な子どもは
気持ちを言葉では十分に伝えられません
それで泣きます
涙は子どもの言葉であり気持ちです
そしてこの気持ちこそ人格そのものです
ですから子どもの気持ちを大事にすること
つまり泣いている子どもを大切に見守ることは
子ども人格を尊ぶこととイコールなのです
泣きたい時に泣ける子どもこそ幸福な子どもだと
私は思います
そんな環境を創るのは大人の役目です
それは同時に大人の心をも楽にする
居心地の良い世界だと思うのです
<ひなげしの花が咲きました>