THE BIG ISSUE JAPAN 95号より

私の分岐点 なだぎ武さん(ザ. プラン9)

芸人というと小さい頃から周囲の人気者
というイメージかもしれませんが
僕はぜんぜん違いました
ものすごいテレビっ子で友達と遊ぶより
部屋にこもって自分の世界を楽しむタイプ

19歳の時吉本のNSC(吉本総合芸能学院)に入ったのも
そこに行けば1年間は楽しく暮らせるんじゃないか
という興味本位
でも入ってみると残っていく同期の芸人は
普段物静かな人ばかりでびっくりしました

千原ジュニアとかバッファロー吾郎とか
もうみんな楽屋で下向いてうつむいているようなやつばっかり
でもそういう普段から人とコミュニケーションとるのが
苦手な人のほうが舞台という発表の場を
与えられた時の爆発力がすごいんですね

仕事が減ってどうしようかなと思っている時に
劇場が閉館

芸人を本当にやめようかとも思った

そんな時に観たのが「ザ. プラン9」の舞台だったんです

何よりも変わったのは
「東京に行って一旗上げてアイドルと付き合うぞ」
見たいな芸人としてのギラつき感が
自分の中で消えていったこと
自分の好きなことを続けることができて
それで生活ができて死んでいければ
幸せじゃないかって思うようになったんです

不思議なんですけどそう思うようなってから
R-1グランプリで優勝させてもらったり
仕事も充実してきた

ギラギラしてがむしゃらな時は何もなかったのに
ちょっと肩の力が抜けて
いろんな角度からものを考えられるようになったら
自分の好きなものや自分の言った事が
どんどんつながるようになった
だから人生って不思議やなーと思いますね

<ミヤコワスレって名前がぴったりですね>