NPOが「公」の担い手になるには?より

市民社会で 脱・下請け 田中弥生さん

最も変わったのは団体の数です
いま認証されているのは約3万4千
公益法人は制度ができてから百年以上かかって
2万6千ですからめざましく増えました

最大の課題は多くのNPOが経済的に自立できないこと
収入構造を見ても寄付は全体の1割弱
事業収入が6割を超え
うち8割は行政からの委託です
NPOにしてみれば地道に寄付を集めるより
まとまったお金を委託金でもらった方が
効率がいい

行政の仕事に依存するうち
NPOの自発性と自由な発想を失っていく
行政が出した条件がおかしいと感じても
仕事をもらうことを優先するので断われない
これでは「民」による「公」の担い手なんていえません

NPOは社会的な使命を持って活動していますが
それよりも雇用の確保、組織の存続が
優先されるようになります
すると自主的な事業より行政からの委託事業に
時間も人材も投入するようになり
新たな仕事やニーズを開拓しなくなる
自発性や自立性というNPOの原点と
大きくかけ離れた組織になっていきます

政府や地方自治体はそれぞれ異なる政策
異なるNPOの理解の仕方のもとで
政策達成のための安価なサービス提供者として
NPOを使った
都合のいいように使われていくうち
資金基盤の脆弱なNPOは下請け化していったのです

でもNPOが安価な下請けになっていては
壊れかけている従来のシステムに取り込まれるだけです
求められるのは市民社会に立脚し、
自立した経営モデルを作ることです

政策的にはNPOの量よりも質や信用力を高める
政策に転換し資金調達の障害を取り除き
寄付文化を育成するするための制度を作ることです

・・・・・行政の効率化のための民間委託、民間活力導入、
指定管理者制など経費削減の流れと
市民のニーズにきめ細かく対応するための行政とNPOの協働とは
まったく逆のベクトルのはずですが
なぜか混同され拡大解釈されている傾向にあると感じています・・・・・・

<ラベンダーがいい香りです>