妊娠中の母親の食事パターンが、
胎児の胎内で一日のリズムを刻む生物時計の働きに
大きく影響を与える可能性があることを、
太田英伸東北大助教(小児科学)らのチームが
ラットの実験で突き止め
二日、米科学誌プロスワンに発表した。
人間でも胎児の順調な成長や発達に、
規則正しい食事が重要なことを示す成果という。
チームは、妊娠したラットに、
人工的に十二時間ごとに昼夜を過ごさせた。
ラットは夜にえさを食べる「夜型」だが、
明るい時にしかえさを与えず「昼型」の食事パターンにしたラットも作り、
出産直前の母親と胎児の脳などで、
時計の役割をする遺伝子の働き方によって刻まれるリズムを調べた。
母親の遺伝子が刻むリズムは、
食事パターンにかかわらず夜型だったのに、
昼型にしたラットの胎児は、
リズムが夜型とは異なる昼型になっていた。
えさを食べることで分泌されるホルモンなどが胎児に伝わり、
時計遺伝子の働き方に影響を与えているとみられる。
太田助教は
「生物時計は成長に関連するホルモンの分泌にも関わっているので、
不規則な生活が、胎児の発達に悪影響を与える可能性がある」
と話している。
<ムクゲは茶室の生け花に使われることが多い花だそうです>