悩む力 姜 尚中著より

*私は自我というものは他者との「相互承認」の
産物だと言いたいのです
そしてもっと重要なことは承認してもらうためには
自分を他者に対して投げ出す必要があるということです

*答えのない問いに悩んでしまう
それは結局若いからそうなるのだと思います
達観した大人はそのようなことは初めからしません
ですから私は青春とは無垢なまでにものごとの
意味を問うことだと思います
 
それが自分にとって役に立つものであろうとなかろうと
社会にとって益のあるものであろうとなかろうと
「知りたい」という自分の内側から湧いてくる
渇望のようなものに素直に従うことではないかと思うのです

そこには挫折や悲劇の種がまかれていることもあります
未熟ゆえに疑問を処理することができなくて
足元をすくわれることもあります
危険なところに落ち込んでしまうこともあります
でも私はそれが青春というものだと思うのです

*人が一番つらいのは「自分は見捨てられている」
「誰からも顧みられていない」という思いではないでしょうか
誰からも顧みられなければ社会の中に存在しないのと
同じことになってしまうのです

社会というのは基本的には見知らぬ者同士が
集まっている集合体であり
だからそこで生きるためには他者から何らかの形で
仲間として承認される必要があります

そのための手段が働くということなのです
働くことによって初めて「そこにいていい」という承認が与えられる
働くことを「社会に出る」と言い働いている人のことを
「社会人」と称しますがそれはそういう意味なのです
「一人前になる」とはそういう意味なのです

<ベニバナが咲いていました>