国際問題評論家・元日本平和学会会長
(長いので一部省略)
グローバル化のなかで市民社会(シビル・ソサエティ)
という考え方が注目されています
民の立場から公共の利益のために働く組織が市民社会で
非政府組織(NGO)や非営利組織(NPO)が代表例だ
NGO活動は80年代の途上国での開発支援から活発になった
冷戦が終わり環境や人権、女性、子どもの問題が噴出すと
専門的かつ集中的に取り組む「力」として
存在感を増してきた
95年の国連社会開発サミット以来
国家、企業と並び立つ第3のアクターとして
市民社会の概念が定着した
世界を見渡すと独裁政権下の国や
軍事紛争の仲のある国では
市民社会がまだ成熟していない
市民社会が力をつけた素地にはインターネットの普及があった
インターネットは市民の声を反映させ結びつけるのに
とても有効な回路だ
お陰で貧困解消に向けた国際的なキャンペーンなども可能になった
今の新自由主義が導入されて約30年になるが
すでにほころびが出てきている
凄まじい投機マネーの動きを誰も制御できないからだ
1日に動く資金のうち実体経済に基づくものは
わずか2.5%という計算もある
新自由主義が後退期に入ったのに
取って代わるものがない これが大きな問題だ
今後市民社会に期待される役割は
グローバル化で拡大した貧困や格差に歯止めをかけていくこと
もちろん市民社会の側にも問題はある
誰が代表するのかという正当性への疑問はつねにつきまとうし
相互の利益がぶつかった時の調整も未知数だ
それでも国家の力が弱まるなか
行き過ぎた市場原理主義を規制する役割は
市民社会が担わないといけない
<メキシカンセージもきれいですね>