問答無用の世界 戦争は個の抹殺 新道兼人より

32才で召集令状を受け海軍二等水兵になった
100人の仲間がいたが60人がフィリピンのマニラに派遣され
途中で米潜水艦に沈められた
残った40人の内30人が潜水艦の乗り組員になり
最後まで残ったのは94人中わずか6人だった

僕は体験を通じて戦争に対して1つの視点を持っている
戦場で勝ったり負けたりということが戦史に残るが
僕は戦争というのは個を破壊し家庭を破壊するものだと思っている
国家のため死ぬのは名誉というが

人間は生まれて成長し結婚して子どもを授かり家族ができる
みんな家族を守りたいと思っている
それが戦争によって壊されるわけです
戦争は勇ましくもなんともないのです

戦争の愚かさむなしさを感じたのは
戦局が大きく傾いた時期で毎日突撃訓練だったが
それが何と靴を反対に履いて退却に見せかけて前進する戦術
木製の戦車と模型の手榴弾を使っての突撃訓練もした

毎晩のように「直心棒」で紫色になるまで尻を殴られた
問答無用で反抗はできない
これこそ個の抹殺だ みんな本当のことなんだ

今の日本は変な自由主義に毒されどこか緩んでしまっている
しかも誰も皆 苦笑いをして済ましてしまう
つまり都合の悪いことに対しては弱者を演じるという
嫌な空気が漂っていますね

<ミントの香りがさわやかです>