研修報告「学校から職業への移行 雇用・就業をめぐる状況」

ユースアドバイザー養成講習会
学校から職業への移行 雇用・就業をめぐる状況
講師 小杉礼子氏(労働政策研究・研修機構)

「名ばかり管理職」「ネットカフェ難民」など、
若者の労働環境が悪化していると言われている。
今回の講義は、若者の雇用・就業をめぐる現状について
統計データをもとに説明された。

まず、完全失業率の推移を見ると
10代の失業率の高さが目立つ(99年〜2002年では12%超)。
日本ではこれを若者の意識の問題(簡単に辞めてしまう)として考え
失業問題として考えられていなかったと小杉氏は言う。

データを見て私が一番感じたことは、
失業率や非典型雇用比率には、
学歴間の格差が顕著に現れていることである。
若年者の就業状況別学歴構成を見ると
狭義のニートは8割が中学高校卒の若者が占めている。
また中学卒で正社員になった若者は正社員全体の5%しかいない。

男性よりも女性の方が
より学歴間の格差が現れているというデータもある。
15〜34歳の女性で見ると、
失業率は、中学高校卒では11.4%、大卒では5.3%
非正規雇用率は、中学高校卒では45.4%、大卒では23.6%
どちらも2倍の開きがある。

また日本では、新卒を大量に採用して育てるという雇用慣行が
今も生きていて、
景気の悪い時期に卒業した人たちなど
学卒就職の流れに乗れなかった人は、
途中から安定した雇用につくことが厳しい仕組みになっている。

国の政策についてのお話もあったが、
どんな立場の青年に対しても
安定した職業に就くためのスキルを身につける機会を
保障することが大切であると強く感じた。
(ボランティアY)

<ヨメナが道端でひっそり咲いています>