ユースアドバイザー養成講習会「アウトリーチ(訪問支援)について」

今回の講義内容は『アウトリーチ(訪問支援)について』でした。
講師はこの道30年の、青少年自立支援センターの理事長、工藤定次氏。
支援センターでは、生活保護やひきこもりのため等、
幅広く活動を行っているとのこと。
今回は特に、ひきこもりへの対応についてお話してくださいました。

支援センターでは、アウトリーチを行なう際の約束として、
必ず親御さんにお願いしていることがあるそうです。
それはまず先に親御さんから本人へ、あなたのことが心配だから、
支援センターへ相談をしたと話すこと。
そして、絶対にあなたを見捨てない、ということを伝えることでした。

「親から見捨てられること」
これこそがひきこもりを続ける人が最も恐れていることだ、
と工藤氏はおっしゃいました。
ひきこもりの83%が、人の手を借りても就労したいと思っており、
どうにかしたいと思っているのです。

「働かない親に育てられた子どもは働けない」という状況が進む中、
アウトリーチという直接的な働きかけは
最も効果がある方法なのでしょう。
しかし、経験による判断力が何より大切なこの職は、
まだまだ人材が足りていません。

最も困難な人へサービスが行き届くことこそが、
本質的問題解決へつながるのだという
工藤氏が最後に熱く語ってくれたことは、
無駄の大切さでした。

とにかく、世間は楽しいんだということをわかってもらうために、
一緒に遊びに出かける。遊びを通して雑談ができる人間になり、
コミュニケーションに自信がもてる。
こうした無駄が必要なんだ。
遊んでる奴じゃないとこの仕事はできないよ、
と笑って話す工藤氏につられて、
いつもしーんとしている講義が笑い声の聞こえる和やかな講義に
なっていきました。

自慢じゃないけれど、私も無駄なことならたくさんしているから、
何かひきこもりを続ける人たちにちょっとでも良い刺激を与えられる
のかもしれない。と、少し自信をもらえた講義でした。

(ボランティアスタッフM.Y)

<ダイモンジソウが咲いています>