事件追う迫る—「爆弾しかける」 26歳は携帯サイトに書いた

神奈川県沿岸部で母親と暮らす26歳の男。
携帯サイトの掲示板に犯行予告を書き込み、逮捕された。
「イタズラだったんで、警察が来たときは実感がなかったです。
ホントに捕まるの?って」

書き込みをしたのは、6月19日午前5時ごろ。
寝つかれず携帯サイトに接続し、「今犯罪予告したら捕まるな」という
新着のタイトルを見つけた。
11日前に東京・秋葉原で起きた無差別殺傷事件のあと、
加藤被告を模倣した書き込みをして逮捕者が次々と出ていた。
挑発するようなタイトルに応じた。
<今日の午前中、横浜駅の東口のどこかに爆弾しかけるわ。
死にたい奴は来いや>
<残念ながら、俺は通報も逮捕も全然怖くないんだ>

犯行当時は無職。派遣社員で工場を点々とする
先の見えない生活が続いているという。
「この年で、恥かしいですが」と苦笑いする。
書き込みの裏に、境遇へのうっ屈があったのか。
「動機」を推し量る問いを重ねたが、あっさりとかわされた。
「そのときの『ノリ』ですよね。こう書いた方が面白い反応が
返ってくるんじゃないかと思って書いただけ」
「背景なんてないです」

社会の反応は「イタズラ」ではすまない。
書き込みを見た人から通報が何本も入った。
駅周辺では警官とJR職員ら数十人が見回った。
神奈川県警が接続記録をたどって携帯電話の持ち主を割り出し、
男の家にきたのは書き込みの7時間後。
あっという間の逮捕だった。

こうなることを想像できなかったのか。
そうただすと、笑顔が少し、ゆがんだ。
「社会に迷惑をかけるつもりなんてなかった。
イタズラという感覚だったので…」
軽い気持ちで送信した文字が巻き起こした事態を、
自覚できていないようだった。

…こんなサイトもあります(犯行予告の通報サイト http://yokoku.in/
犯行予告はほぼ100%検挙されるのにもかかわらず、
冗談のつもりでこのような書き込みをする者が後をたちません。

<イチョウ並木が美しいです>