朝バナナダイエットがブームになるなど
若い女性を中心に「やせ」志向が強い。
メタボリック症候群が注目され「太りすぎ」が健康によくないことは
広く知られているが、「やせすぎ」も要注意。
小児科や産婦人科の専門家は「骨粗しょう症や月経異常に
つながる。生まれてくる子どもの健康にも影響する」と指摘。
過度なダイエットに警鐘を鳴らす。
若い女性のやせすぎは増えているのか。
…厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、
20歳代の女性の「やせ」はここ二十年で倍増。
2002年には25%を超えている。
「雑誌やファッションショーのモデルはみんな細い。やせていることは
女性にとって美しい、魅力的と感じてしまう社会風潮が問題」
と指摘するのは甲村弘子・大阪樟蔭女子大学人間科学部教授。
「過度なダイエットをすると月経が止まる。低血圧や、
疲れやすくなったり、便秘になったり。思考や記憶力も低下する」
甲村教授が相談を受けた女子中学生は、ダイエットで160cm、
48kgだった体重が最も少ないときで28.8kgまで落ち月経がなくなった。
治療で少しづつ回復し、今では45kg。月経も順調。
しかし、骨密度は正常値の60%程度で70-80歳代の値。
なかなか増えないのが悩みだ。…
やせすぎは本人だけでなく、生まれてくる子どもの健康にも影響する。
佐川典正・三重大産婦人科教授は「妊娠中のお母さんの栄養が
足りなければ赤ちゃんは小さくなる。小さく生まれた子どもは将来、
肥満をベースに糖尿病、高血圧などを発症する確率が高い」と説明する。
母親の胎内で栄養状態がよくないと、子どもの体は効率よくエネルギーを
利用できるようにプログラムされる。このような子どもは成長してからも、
十分なエネルギーが供給されるとすぐに供給過剰になって、
肥満をはじめ生活習慣病が起こりやすくなる。
<ミズヒキが咲いています>