「セカンドステップ」子どもの対人関係力養成 キレずにトラブル解決

自分の感情をコントロールする、相手に自分の気持ちを伝え、
円滑なコミュニケーションを取るための具体的手法や知恵を
身につける米国生まれのプログラム「セカンドステップ」が
保育園や小学校などで広がっている。
キレすにトラブルを解決できる力として注目されている。

給食も終わった10月の午後、浜松市内の保育園の一室で、
16人の年長さんが、いすを半円にならべて座り、先生に注目した。
20回目のセカンドステップの授業では、
砂場で遊ぶ男の子たちから少し離れて立つルイスちゃんの写真から、
彼ができることを考えた。

「話しかける」「一緒に遊ぼうと言う」「スコップを持ってくる」などの
園児の意見に、先生が「いばって『入れろ!』という」などを加えて
10ほどが挙げられた。
次にそれを実行したらどうなるかを考える。
必ず使う物差し、その行動を取るのは
▽安全?▽自分と相手の気持ちは?▽フェア?▽解決できそう?
に合わせて考える。

セカンドステップは、米国シアトルで
「子どもが加害者にならないためのプログラム」として開発された。
日本では01年に設立されたNPO法人「日本子どものための委員会」が
研修、指導員養成など実施。

特徴は、一方的に「人を傷つけてはいけない」
「暴力をふるってはいけない」と抑え付けるのではなく
「怒ってもいいんだよ」と感情の動きを否定しない。
その上で「5,4,3,2,1と数えて怒りを落ち着けよう」
「『わざとじゃないんだ、ごめんね』と一言付け加えるといいね」など
具体的な手法を、子どもと一緒に考えていく。

授業を受けるうちに同園の園児たちは、けんかが起きても
「先生は向こうで見てて」と自分たちで気持ちを伝え合うように。
周囲の子も冷静に見守り、一方的にやり込めたり、
やり込められたりすることがなくなった。

指導の先生はどんな意見も評価せず
「そういう意見もあるんだね」と受け止めることで、
自分の意見をいえる子が増え、「君が割り込んできたから僕は嫌だった」
などと気持ちを表現できるようになったという。
アイデアを出し合うことから、一つの解決策が駄目でも
次を考えようと柔軟に。

同NPOの渡辺俊一理事長は
「これですべてが解決、ではないが、幼いうちから
良い人間関係をつくる言葉や知恵を身に付ければ、
大人になっても乱暴でない問題解決ができていけるのでは」と話している。

<アロエは昔から「医者いらず」といわれてきました>