大人にこそわかってほしい ケータイの闇

「わかってくれる大人がいなくて、
子どもたちは人知れず悩んでいます」
先月下旬、東京都文京区の京華女子中学・高等学校で、
携帯電話コンテンツ会社「サミーネットワークス」の
倉垣英男さんの話に教師が聴き入った。
同社は子どもを持つ親5人が中心になって、
6月にケータイで相談できる無料サイト「こころ部」を開設した。
1日5,6通の悩みが寄せられ、アクセスも月間150万件に及ぶ。
「サイトで知り合った人に裸の写真を要求されている」
「下着の写真を送ってしまった」
「フィルタリングをかけているのに出会い系サイトに勝手に登録されていた」…
倉垣さんによると、子どもはネット上の友だち関係を重視しており、
要求を断れない。
不特定多数に向けて発信する危険性も実感していないという。
京華女子中学・高等学校の生徒は9割以上が携帯電話を持っているといい、
最近「ネット上で悪口を書かれた」といった生徒の相談が増えたという。
「通信料が何万円にもなって困る」という親や、
「子どもの訴えの意味がわからない」という親もいる。
教師自身、ケータイのサイトをほとんど見たことがない。

ネットいじめの相談などにあたる「全国Webカウンセリング協議会」は
9月、学校名を冠した掲示板「学校裏サイト」の情報を独自に集め、
リンク集を公開した。(略)
同会事務局は「誰でも書き込め、対話できるサイトが急成長し、
子どもに人気だが、悪意のある大人から狙われやすい場でもある」と話す。
全国高等学校PTA連合会と協力し、
教材を使った講演会も始めている。
「プロフ(自己紹介サイト)は出会い系サイトと同じ。
連絡先の書き込みは禁止されている。
でもこんな手段もあるんです」
保護者対象の講演会で、同協議会の安川雅史理事長が
ホワイトボードに隠語を書く。
「英雄」はau、「やわらか銀行」はソフトバンクのメールアドレスのこと。
ケータイの「0」と「わ」、「9」と「ら」は同じボタンを使うので、
「090」は「わらわ」と表せる。
「苺佐母」は1万五千円(苺)で援助交際(佐母=サポート)。
中には「乾燥部して93して」(ドライブしてクサ=大麻を吸い、エッチする)
という危険な内容もある。(略)
「大人の無関心が一番怖い。誰もブレーキのかけ方を教えてない。
一度サイトを見てみて。情報を発信することの重みを、子どもに教えて」
と安川さんは訴えている。

…子どもひろばでも現在ケータイ・ネットに関する新しいプログラムを開発中です。
来春の完成を目指して、ボランティアが知恵を出し合っています。

<冬至にはゆず湯に入る風習が昔からあります>