元気づけてくれなどと人を頼らないでいこう
僕は与えられたチャンスには挑んでいったけれど、
自分の背中を誰かに押して欲しいと思ったことは
まったくありませんでした。
若い時には、たとえ1歳でも年上の人間は
全部敵だと思っていて、その人たちの言うことは
絶対に聞くものかと思って生きてきたからです。
それくらいの気概を持っていないと本当は何もできないのです。
2年程前に、ある大学に招かれて行った時のことです。
学生たちが僕に、自分たちを元気づけてくれと発言したのですね。
モチベーションを上げるための言葉を聞きたいということでした。
僕は、普段あまり気の強い話し方をしないし、
音楽を仕事にしていることもあって
柔らかいイメージを持たれているかもしれませんが、
この時ばかりは頭にきて、「甘ったれるな!」と思わず怒鳴りつけていました。
なぜ自分でやらないのか、
なぜ自分のチカラを振り絞って少しでも前へ進んでいかないのか。
情けなかった。
ただそこに待っていたら、誰かが自分を見つけてくれて、
行く先を示して背中を押してくれるなんて、おかしいと思いませんか。
自分のやりたい本当のところは、自分にしか分からない。
自分でしか探し出せないからこそ、その仕事は輝くのだと思うのです。
怒ったり怒鳴ったりしてしまうことさえ、
実は甘やかしていることなのかもしれません。
それでも、思わず激した僕の様子を見て
彼らが何かを感じてくれたらいいが、と思います。
世間から評価されたり、スポットライトを浴びたりするのは結果であって、
それ以前に自分の努力や生き方があることを分かって欲しいと思います。
<菜の花が黄色いじゅうたんを敷き詰めたように咲いています>