食事で変わる!子ども・若者の精神・行動

食べもの通信 2009年4月号より

うしろ木クリニック院長 後木建一氏に聞く

—最近のアレルギーの特徴と、子どもの脳との関係は?
私は30年前に食物アレルギー診療を始め、
食事療法により情緒障害や精神障害、日常行動までもが
改善された例をたくさん見てきました。
…子どもや若者で多く経験するのはチョコレートで、
カフェイン、砂糖、乳製品、酸化した油脂、ナッツ、
天然の化学物質、合成化学物質など
アレルギー症状を起こす成分を含んでいます。
チョコレートをやめると、情緒不安定や頭痛などが
消失する人が多いですね。

—子どもの症例をご紹介下さい。
4歳の男子の例。アトピー性皮膚炎とぜんそくで来所。
落ち着きがなく、診察室でも座って話を聞くことができず、
他動で親が困っていました。
大食で体重過多。夕食後も間食し、
寝る前にお茶を飲んでいるため、眠りが浅い。
大好きだというチョコレートとハンバーグ、砂糖、酸化した油、
食品添加物を含む食品、夕食後の間食とお茶をやめるように話し、
2週間後来所。
よく眠れるようになり、アトピーのかゆみも減少。
非常に落ち着きが出て、聞き分けがよくなりました。
さらに牛乳をやめるようアドバイスしました。
2週間後、食べすぎがなくなり、野菜をたべるようになって、
完全に情緒、行動が落ち着き、アトピーも改善しました。

…現代の食生活の特徴は、飽食、合成化学物質汚染と依存症です。
睡眠不足、携帯電話依存症、夜食、ストレス、
生活リズムの乱れが重なって、
脳の機能異常が精神・行動の異常となっていると考えられています。
体が本当に必要な食べものは、穀物、野菜、発酵食品、海の幸、
つまり日本人が長年食べ続けてきた和食です。
子どもの頃からご飯と味噌汁を基本にすれば、
ひいては人格形成にまで良い影響を及ぼすことを知ってほしいですね。

<ベニバナは古くから食用油として使われてきました>