BIG ISSUE 126号

何もかもが嫌になる時

今までホームレスに関する本を何冊か読んだ
その中に『何もかもが嫌になって』という記述が何度もあった
それを見るたびに
「嫌になったからって家族や仕事を捨てることないのに」と思い
ホームレスに対する蔑視ばかりを深めていった

だが派遣で働いている私もいい加減「何もかもが嫌に」なってきた
安定しない生活と名前もまともに呼ばれない立場
一生懸命働いてもギリギリの暮らしと
いつクビになってもおかしくない雇用形態

私は自分が『下層』に位置して初めてホームレスの方々の
気持ちを心から理解した

何十年も生きていれば誰だって『何もかもが嫌になる』ことはある
だとすれば路上で暮らす生活も誰にでもあり得る
境遇なのかもしれない

そしてもしそうなってもまた復活できる社会があってこそ
人は路上から再起する気力を出すことができるのだ

今回の選挙には私は投票したくてもできないホームレスの方々の
責任も背負って貴重な一票を投票してこようと思う

<センニチコウは長い間次から次に咲く花です>