アルバムのタイトルにもなっている「21st Century Breakdown」では
「俺はゼロ・ゼネレーション ワーキングクラスのヒーローとして
成功したことなんか1度もない」という歌詞が繰り返される
これは実に悲観的な人生観といえるのではないだろうか?
「もう少し深くとらえたほうがいい。これはアメリカンドリームを歌ったもので
アメリカンドリームとは自分が望みを抱いて全力でがんばれば
成功できるというものだ。だけど俺たちの祖先が抱いていたこんな夢は
どんどんつまらないものになってきている。
今じゃアメリカンドリームといえば宝くじに当たって大金持ちになることくらいしかない。
そんなの俺に言わせればアメリカンドリームじゃない。
もっとよくなろう、もっと完璧な人間になろうと一生懸命努力する人たちとか
こうした飢餓感が消えてしまったのは残念なことだよ」
では自分自身の夢は実現したと?
「100%ね。俺は世界一幸せな人間だよ。自分のバンドも自分の仕事も愛している。
グリーン・デイがなければ俺は皿洗いにでもなったただろうな」
不況という今の時代から考えれば世の中は物質主義的すぎるのだろうか?
「いや、そうは思わないな。繁栄が悪いとは思わない。
お金を追い求めることでアメリカが危機に陥ることも多いけど
それのおかげで危機から脱することもできる。
富を生むことにかけてはアメリカは才能のある国だから。
でも繁栄は1つの局面に過ぎないし、お金の上だけに築かれた社会は
いつか破綻する。だけど俺は悲観してない。
今の俺たちにはアメリカ初のアフリカ系アメリカ人の大統領がいる
これはとてつもなくすごいことだ。つまりこれは人々の声が
ないがしろにされることはないってことだからね」
オバマ大統領はどんなことを成し遂げるだろう。彼に世界が救えると思う?
「彼に世界は救えない。特に一人ではね。でもオバマが大統領になったのは
ここしばらくでアメリカに起きた最良のことだ。
今は毎週のように新しい危機、新しい悲劇が起きてる。
だけど結局のところこのアルバムで言っているように
『トンネルの向こうに光はある』ということなんだ