思春期とは −愛することを求める子どもたち− 江幡玲子より

*自立とは心豊かなもの、他の人とともに生きていくことを言います
 誰にも迷惑をかけないかわりに
誰からも迷惑かけられたくないというのは自立ではなく孤立です
 孤立とは心貧しく不安が先にたちます
 自立に必要なものはちょっとした“人の手” “人の支え”
であると思います
 本当の自立とは自分だけで生きることではなくて
 必要な時に他人の力と知恵を借りることができることだと思います

*いじめ問題への第三者の介入の難しさを痛感しました
 彼もまたいらついているのです。
 しゃべりたいだけしゃべって一応は落ち着いたのか帰って行きましたが
 このいらつきの源はどこにあるのでしょう
 一人では生きられない人間が人間関係の中でいらついて
 いらつきをなんとかしようとして相手を傷つけ
 また、いらついているという悪循環をどこで断ち切ったらよいのでしょう
 指導と禁止と罰だけでは、いじめ問題は絶対に解決しないと思うのですが

*いじめの問題は人間の問題であり人間関係の問題だとはっきり言えると思います
 友達のいない生活はほとんどの子どもたちにとって考えられないことだということを
 きちんとふまえて考えていかないと、いじめた子どもに注意して
 それでも駄目なら罰するということだけでは解決にならないのです

*人は他人から思われているように、また評されているように行動し
 そういう人間になっていくといいます
 協調性のないといわれた子はますます協調性のないように
 やさしさを大切にといわれる子はますますやさしい子になっていくのです
 先生が成績表に書いた言葉ばかりではありません
 毎朝毎夕お母さんの口から出る
 『ぐずだね』『乱暴だね』「うるさいわねー」『なにやらせてもできないね』
 という言葉だってやがて子どもは、
 そういう子どもにつくりあげていく魔力を持っているのです
 子どもはもしかしたら先生と親によってつくられ
 先生と親によってつくりかえられていくのかもしれません

*思春期とは理解される年齢から理解する年齢へと成長していく時だといいますが
 勉強もテストも友達関係も難しく複雑になってくる
 親の問題で悩む子どもたちへの助言や援助はなかなか難しい仕事です
 耐えている子どもたちを、慰めないで励まさないで
 自ら解決していく力をつけていくためにはどんな援助をしたらよいか
 悩みがあったら相談しなさいと言いながらも
 人生にはそう簡単に解決できない問題がたくさんあることを
 わかって欲しいと思うわけです
 いい子を持って幸せな親が、その幸せに気がついていないことに
 歯がみすることもあります

・・・・・・「子どもたちは愛されたいのではなくて、“愛したい”のだ」
という言葉が心に残りました。一人の人間として主体的に生きる、
決して親から愛され保護されるだけの存在ではないということですね・・・・・・・

<梅の花が咲き始めましたね>