2009年秋、ラルフ・ローレンのある日本向け広告が
「ひどい修正」と話題になった
女性モデルのウエストがあまりに細く骨盤はなんと頭より小さい
今日、私たちの目に映るあらゆるものは
メディアにより加工済みである
先ごろ歌手のブリトニー・スピアーズは修正前の水着写真を
公開したが,たしかにウエストや足首は細くなり
セルライト(皮下脂肪)は消されている
サルコジ仏大統領の贅肉除去写真に失笑した読者も多いだろう
この現状を「不自然」と一蹴するのは簡単だが
事態はそれほど単純ではない
とりわけ女性には見慣れた加工美に近づくことこそが重要なのだ
日本では若年層女性の痩身願望が高く
厚生労働省の調査によれば20代では2割が「やせ」で「肥満」は8%以下
だが6割近くが体重を減らそうとしているという
07年フランス、イタリア,米国,イギリスの4カ国は近年批判される
「やせ過ぎモデル問題」に取り組む方針を示した
またイタリアとスペインは一定の体格指数(BMI)値以下のモデルの
ショーへの起用を禁止している
背景には拒食症で亡くなったブラジル人モデル、アナ・カロリナ・レストンや
ウルグァイ人モデル、ルイゼル・ラモスらの痛ましい事例がある
この問題は極めて深刻である。たとえばイギリス医学会は2000年に
拒食症患者は20年以内に2割近くが死亡すると報告した
だが例の「修正」広告写真が簡単に使用されたように
日本での意識はまだ低い
美は誰のものなのか。健康と共に女性自身の手にあって欲しいと切望する
・・・・・・価値観は多様化ではなく横並び?画一化?・・・・・・
<ダリアも夏の花です>