子殺しに思う 宮子あずさより

5月14日、生後4ヶ月の長男を殺した母親が逮捕された
殺された子どもはダウン症
母親は「育児に疲れた。一緒に死のうと思った」と話しているという
これを読んだらやっぱりどうしても
ダウン症の義弟のことを考えてしまう

生後4ヶ月であれば、かかる手間が健常児と大きく違うとは思えない
心労の元はもっぱら将来への不安だったのではないだろうか
その前提に立つと彼女がダウン症の子どもの将来を
どのように思い描いていたのかが気にかかる

結婚して20年。16歳から36歳になる間の義弟を見てきたが
レストランの厨房で働き、選挙では投票もし、基本的には自立した生活をしている
彼を見ると「生後4ヶ月で死んだ方が良かった」とは間違っても思わない
私がそう感じている事実を多くの人に知ってもらいたい

こうした事件が起こると、支援態勢に話が及ぶのが常だが
現状でも情報を得たいと思えば相談する窓口はある
それがどこまで活用されたのかと思うと残念でならない

義弟を見ていると日々楽しそうに暮らしていて
あれはあれで悪くない人生じゃないかと思う
何より自分の人生をどう感じるかなんて本人にしかわからないこと
先行き不幸と決め付ける人々の意識こそ偏見に他ならない

・・・・・・親が自分の人生と子どもの人生を別のものと区別できないこと
ほとんど同一視する意識、子どもを自分の所有物のように思うこと
子どもを1人の人格として認めないことが問題だと思います・・・・・・

<ノハラアザミが咲いてました>