問いを抱えて生きよ 渡辺京二 80歳の歴史家の言葉より

・自己実現?それは出世主義のことでしょう
 人生は無名に埋没するのが良いのです
 でも、あなたがたは卒業論文を通じて知の世界にひらかれた。
 その問いをずっと抱えていくことです。
 一生、本を読んでいきなさい

・社会とはそんなものではない。
 社会がどうであろうと自分は生きたいし生きてみせる
 人は社会から認められるから生きているのではない
 社会に貢献なんかしなくてよろしい
 まず自分がしっかり生きること。
 社会全体がお前は死ねと言ったって、嫌われたって自分は生きる
 生きていっていいんだ。そのことを肯定すること。
 そうやって生きているひとりひとりが何とか関係を作らなければ
 ならないから、社会というものができてくる

・社会は正義の権化ではなく、もっとでたらめでいい加減なものだ
 社会が立派なものでないからこそ就職難もでてくる
 人類としての問題も出て来る。
 人間がどうやって生きていけば良いのか、問いが出て来る
 あなた方は大学でその知の扉に立った。
 だから一生、その問いを手放さないことです

<ホトトギスの花がそろそろ咲きます>