3・11と日米開戦70年 坂本義和さんに聞く日本の進路

・責任を問わぬ集団 
補給すら保障せずに兵を送るのが日本軍の方針でした
南方に行った日本兵の多くが餓死しています
これこそ棄民です
何のために夫や息子が死んだのかという思いの人は
多かったと思います
だが、問題はその先です
責任を問うという問題です
誰が戦争を決めたのかを問わなければいけない
しかし日本人は上の人間が下の人間の責任を問うことはあっても
下の人間が上の人間の責任を問う文化がない
とにかくこうなっちゃった、ということであきらめてしまうんです

例えば、福島第一原発事故でも「原子力ムラ」という言葉が使われています
ムラは集団です
だから事故が誰の責任なのか分からなくなる、また分からなくするのです
決定権を持つ者の責任を問わない民主主義はあり得ません

・想像力を交換して
戦争を経験していない若い世代に「あの戦争を忘れるな」というだけでは足りません
人間は経験していなくても想像することはできます
他者と自分を関係づける時に他者の立場を尊重して想像し
互いに想像力を交換することの大切さを学ばなければいけません
沖縄の問題も同じです
胸が痛むには記憶だけでは足りない
想像力とは自分は経験していないが経験したかのように感じること
人間らしさとはそういうものです

<さざんかは冬の花です>