発達障害の子どもたち 杉山登志郎よりその4

注意欠陥多動性障害(ADHD)が注目されたが、
程なく学校教育サイドはこれが誤診であったことに気づくようになった
あまりに対応に困る多動児は基盤に社会性の障害を抱えている
(つまり高機能広汎性発達障害である)ことが多い

事実、地域の小児科によって注意欠陥多動性障害と診断を受けたが
改善せず、われわれの小児センターを紹介されて受診した
多動児の実に8割までが高機能広汎性発達障害であった

一般的な注意欠陥多動性障害であれば小児科において
十分対応が可能であり、難治例においては広汎性発達障害の
割合が高くなると考えられる

学校との関連でもう1つ資料を呈示すると、あいち小児センター心療科の
不登校外来を受診した生徒の約5割は何らかの発達障害が認められ
その8割(つまり全体の4割)は高機能広汎性発達障害と診断された

この数字の意味は従来の一般的な不登校は教育サイドで
ある程度対応が可能となっており、そのような対応で進展がなく
専門医療機関まで紹介される事例において高機能広汎性発達障害と
診断される児童の割合が高くなるということである

広汎性発達障害グループの不登校に対しては、登校刺激を行わないという
一般的な対応は完全な誤りである

<赤つめ草がいっぱい咲いてました>