発達障害の子どもたち 杉山登志郎より その5

高機能広汎性発達障害の育ちを追ってみよう
幼児期の行動は自閉症と大きな変わりはない
視線の合いにくさや分離不安の欠如を示す子どもが多い

幼児期の開始と同時に集団行動が著しく不得手なことが
目立つようになる
保育士の指示に従わず集団で動くことができず
自己の興味のみに没頭する

過敏性を抱える者も多く特定の音刺激
(ハイピッチの音、擦過音、突発的な破裂音など)や接触を嫌うことがある
知覚過敏性の存在は周囲から指摘されない限り気づかない

小学校に入学すると集団行動を取れないことが大きな支障となる
言葉は表面的な使用が多く、比喩や冗談の理解が著しく困難である
文脈から理解することが困難で人の気持ちを読むことや
人の気持ちに合わせて行動することができない

高機能広汎性発達障害の児童は激しいいじめの標的となることが多い
われわれの調査では実に8割が深刻ないじめを受けていた

<アマドコロは山野の木陰に咲きます>