発達障害の子どもたち 杉山登志郎より その7

子ども虐待と発達障害の複雑な関係

筆者が現在勤務する小児センターは軽度発達障害のセンター
であると同時に子ども虐待治療センターとしても働き、
子育て支援外来を開設し、
毎年140名前後の患者が初診で受診した

開院後5年間に診療を行った子ども虐待患児575名中
広汎性発達障害が全体の24%、ADHDが20%、
何らかの発達障害と診断される子どもは全体の54%に達した

しかしADHDという診断を受けていない子どもも、多動で衝動的な傾向は
きわめて一般的で、発達障害と診断される子どももそれ以外の者も含め
ADHDの3症状である不注意、衝動性、多動を示すものは子どもの8割に達した

ここには複雑な問題がある。子ども虐待に認められる代表的な後遺症である
反応性愛着障害と解離性障害の説明が必要となる

<黄もくれんが咲きました>