発達障害の子どもたち 杉山登志郎より その9

規則正しい生活を

1.健康な生活
基本は養生である。子どもの持つ活発な代償性や修正能力を
高めるために基本中の基本となる。
古来どのような養生訓を見てもその基本は変わらない。
早寝早起きを基本とした日内リズム、適度な栄養、適度な運動である。
日内リズムの確立は特に朝食をとることが重要である。
偏食の克服は年来の課題となるが、極端になるのはこだわりと
結びつきやすい自閉症や広汎性発達障害である。
また今日的問題として情報の制限という課題がある。
音や情報が絶えず流れているような環境に著しく脆弱なのは
周囲の雑音の中から対人的な情報を絞り込むことが不得手な
自閉症児グループの幼児であり、テレビがつけたままや1日中ゲーム
に明け暮れるなどは避けたい

2.養育者との信頼と愛着の形成
 子どもが安心して過ごせる家庭環境とは親子関係の安定以前に
 夫婦関係の安定が最も大きな要因となる。両親は完璧な親である必要はない
 精神分析家のウィニコット「良い母親とはgood enough(ほどほどに良い)」
 愛着の形成には時間をかけること、特に自閉症など過敏性を抱える場合は
 人の声と人の肌が基本である

3.遊びを通しての自己表現活動
 遊びは子どもにとって生活の中心であり、遊びを通してイメージを脳に作る力が
 発達し対人関係がすすんでゆく

4.基本的な身辺自立
 繰り返し練習する中で身につく

5.コミュニケーション能力の確立
 発語よりもまずは言葉の理解が課題で、その前提となるのは模倣の能力である
 リズム体操の模倣ができるのは表象機能に直結している。
また状況判断ができることもコミュニケーション能力の基盤となる

6.集団行動における基本的なルール
 特殊な訓練ではなく毎日の生活の中での対応方法でスモールステップが原則

・・・・・これらは全ての子どもに共通する普遍的なことですね・・・・・

<小判草を川べりで見つけました>