「朝起きられない」疾患 起立性調節障害とは

思春期 軽症含め100万人 「怠け」ではありません

朝起きられず、日中もだらだらと過ごすけれど
夜になると元気になる 子どものこんな症状に要注意

10〜16歳頃に発症しやすい自律神経機能不全のひとつ
起立時などに脳の血流が下がり
立ちくらみや頭痛、疲労感を伴うほか
思考力や判断力も低下する

体を横にすると全身への血流が回復するため
寝転がるなどの楽な姿勢をとることが多い

日本小児心身医学会などによると
小学生の5%、中・高校生の5〜10%がかかり
中高校に登校できないなどの重症例は全国で推定7万人
また不登校の児童・生徒の3〜4割が起立性調節障害とみられるという

同会は06年「診断・治療ガイドライン2005」を作成
臥位や立位などで血圧を測る「新起立試験」による診断基準を示した

治療には△できる限り生活リズムを整える
△水分・塩分を多くとる
△薬物療法(昇圧剤)などの方法がある
症状は精神的ストレスによって悪化するため心のケアも重要だ

通常は身体の成長期の終息に伴って症状が消えたり
日常生活に支障がなくなったりする

ちなみに朝寝坊などとはどう違うのか
朝寝坊の子どもは血圧を測る起立試験の結果に
午前・午後とも異常が見られないのにたいし
起立性調節障害は午前の方が午後より検査結果が圧倒的に悪い
またうつ病の子どもは夜になって元気が回復することはない

もともとの遺伝的な体質に加え、思春期のホルモンの乱れや
ストレスが重なり、自律神経のバランスが崩れたと考えられる

ただ発症しやすい子どもには一定の傾向も見られる
多くの保護者が「幼いころから手を煩わさなかった」というように
周囲に心配りができ「ノー」と言えない生真面目な子どもだ
慢性的なストレスを無意識に抱えているケースが多いという

<ねむの木の花が終わり、豆のような実がなります>