原発事故の被災地を調査したのは
国連人権理事会で健康分野に携わる
インド出身の弁護士アナンド・グローバー氏
12日間の日程で行政担当者や被災地の住民たちから
聞き取りし、最終日の26日に暫定の調査結果を記者発表
・政府が原発周辺でヨウ素剤を配布していなかったことは
『甲状腺がんの危険を減らすための常套手段を欠いた』と批判
・緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の
情報が避難に生かされなかったことは
『正確な情報提供が重要。政府の信頼性が問われる』と指摘
・政府が決めた年間20ミリシーベルトの避難基準は
『チェルノブイリ事故の強制移住の基準は年間5ミリシーベルトだった
こうしたズレが住民の混乱を招いている』と懸念
・県の子どもを対象にした甲状腺検査は
『子どもの親は診断書を受け取れない。
医療記録にアクセスする権利を否定されている』と痛烈に批判した
・福島県外への避難を希望する人への住宅支援の新規申込は
12月28日で打ち切られるのは
『政府はすべての避難者が避難を続けるのか、自宅に戻るのかを
自分の意志で決められるようにすべきだ。経済的支援や補助金を
継続、復活させなければならない』と問題提起した
グローバー氏は今後、政府の反論も聞き
来年6月に国連人権理事会へ報告書を提出する
福島郡山市の子どもや親たちが『集団疎開』を求めて
仮処分を申し立てた裁判の原告代理人柳原敏夫弁護士は
『被災地の苦しみを思いやった調査だ。政府や県は指摘を
素直に受け止めて対応して欲しい』と話した
<万両の赤い実がなりました>