受験シーズン本番だがそれにぴったりの本を読んだ
今の社会を鋭く切り取る著作で知られる
経済学者の橘木俊詔氏の「学歴入門」だ
橘木氏は関西出身だが小樽商大で学生生活を送った
今や日本社会の前提にまでなっている学歴重視主義だが
その始まりはいったいいいつなのか
私たちは日本は太古から学歴社会だったような錯覚を
持っているが、実際には明治時代に官僚制度が
できたのが出発点だったそう
当時、最高のエリートだった官僚を多数輩出する良い大学が帝国大学
その帝国大学に多く学生を送るのが良い高校
私立大学もそれに負けじと官庁や大企業に卒業生を送り・・・
といった図式がつくられていったそうだ
しかし「実際にはそんな図式はとっくに崩壊している」と筆者は言う
今や「学歴は企業に入るまでは有効だがその後はいっさい関係なくなる」
どころか、そもそも官庁や大企業に入れたとしても
思わぬ不祥事に巻き込まれたり倒産して失業したりするのが今の世の中だ
それなのに、いまだに親や教師は「良い学校にさえ入ればあとは安泰」と考えてしまう
「学歴なんて関係ないよ」という勇気を持てないのだろう
橘木氏が「学歴入門」の中で言いたかったのは
「どこへ行く、ではなくて、行って何をするかを優先して」
本当にその通り。受験生は
「どこに入るかじゃなくて、どこに入ったとしても大切なのはその後だよね」と
自分に言い聞かせて肩の力を抜いて試験にのぞんでほしい
<ホトケノザ別名サンガイグサが道端に咲いています>