カール・ロジャーズとともに その2 畠瀬稔他編より

*クライエント中心療法について
カウンセラーがクライエントに対しているときに
「この人に助言を与えたいけれども自分はカウンセラーなので
クライエント中心療法に則ってそうしてはならない」と
抑制するならば、そのカウンセリングはあまり効果的な
ことをしているとは思えません

ですからクライエント中心療法はクライエントを中心とすると
言っても、それには限度があります
例えば「トイレはどこですか」とクライエントから問われているのに
カウンセラーが「トイレはあそこです」と言わないようなことはない訳です

助言を必要としている場合には、直接的な返事として助言をします
ただ、クライエントの人生上の何らかの課題に関しては
カウンセラーの持っている意見を表明したり
押し付けたりということは避けます

この点について他のカウンセラーの中には私と違った見解を
持っている人もいますが、私は人生上の問題を持っている人には
私の意見を言うことはしません

クライエント中心療法というのは、カウンセリングをする際の
(こうすべきである、こうすべきでないといった)やり方の問題ではなく
人間観から生まれる態度の問題だと思います

ですからクライエントに助言を与えようかどうかと悩むよりは
むしろカウンセラーとしてクライエントのことをどれだけ理解できているのか
クライエントを自分とは全く違った個人として尊重できているのか
臨機応変に助言を与える融通性を自分が持ちえているのかを
自問してみるべきであろうと思います

<ムスカリが咲きました。小さい葡萄みたいな花がかわいいですね>