追悼 三國連太郎 「襤褸の旗ー足尾鉱毒事件と田中正造」

都立多摩教育センターで特別上映会がありました
会場は立ち見も出て主催者も予想外だったみたいです
1974年製作のモノクロで吉村公三郎監督です

明治時代の公害の原点の話ですが
古河鉱業の銅山の鉱毒により渡良瀬川に魚が浮き
田んぼも畑も山も枯れ果て
子どもが死んでいく悲惨な状況の中で
農民が政府に請願するために米を持参して徒歩で
数日がかりで東京に向かった

襤褸とはボロボロという意味で
その時に持っていたムシロ旗のこと

それを「東京大挙押出し」と呼んだが、
1896年から1902年まで計6回までも行った
小さな村なのに参加者は2000人、7000人、10000人など・・・・・
その4回目が川俣事件で農民と警察が衝突し
大規模な集会・言論弾圧事件となる

当時衆議院議員だった田中正造は最初は農民を説得していたが
押出し決行日に合わせて国会で質問するなどした

その後田中正造は議員を辞職し
農民たちと足尾に住みつき、天皇直訴などを続けた

おりしも日露戦争が勃発し富国強兵で
銅山は国策となり、谷中村は強制収用され廃村となる

三國連太郎の迫力もすごかったけど
農民の必死の迫力もすごかった
40年前の映画なので西田敏行はデビュー作で若い!
田村亮、中村敦夫なども若かったです
正義役が多い志村喬が古河の社長役とは珍しい

私はどうしても福島の原発事故でふるさとを奪われ
生活を破壊された人たちの姿と重なりました
明治から平成になっても
変わらないことが起きているのが
本当に人間は愚かだなと思いました