熊本県水俣市水俣病資料館館長
坂本直充さんの詩集「光り海」より

母と子は
存在の岸辺に佇んでいた
現代の業が
滝のように
水俣の海に流れ込むのを
見つめていた
そしてそれが
自分自身に流れ込み
我が子に流れ込んだことをさとった
我が子は
現代の業苦に
焼けて苦しむ小さないのちだった

人は高度成長と呼んだ
人は繁栄と呼んだ
もっとほしい
もっといいものを
もっとうまいものを
もっともっとのために
資源を掘りつくし
資源を使い尽くし
限りない欲望の道を
疾走していた
繁栄のために
少女は死んだ

今日4日は公害の原点である足尾鉱毒事件を
告発した田中正造の没後百年

・・・・・・・人間の欲望が発展の原動力ではありますが
何事も過ぎたるは及ばざるが如しではないでしょうか・・・・・・

<秋の花リンドウが咲いていました>