骨の折れる仕事は世の中にあまたあるが
インドのニューデリーに住むカイラシュ・サトヤルティさん(60)は
文字通り骨を折っている

まだ子どもなのに過酷な労働を強いられ
学校に行けない子を助けだすことに打ち込み
これまでに8万人救出してきた
子どもらを安い賃金で酷使し、もうけている経営者にとって
サトヤルティさんは敵だ

だから何度も襲われてきた
「脚も頭も背中も肩も、とにかく私は体中の骨を折られた
仲間二人は殺された。若いスタッフが袋叩きにあうなんて
しょっちゅうだ」と語っている

全世界では1億6千8百万人が18歳に満たないのに
危険で有害な仕事をしている
10数年前に比べれば3分の2に減ったが、それでも驚くべき数だ
日本でも人気のスマートフォンやスポーツ用品が
安く買える陰には児童労働があるという指摘も繰り返されてきた

サトヤルティさんの原点は子どもの頃に見た光景だという
同じ年ごろの子が学校に行けず、通りで靴磨きをしていた
「こういう問題に立ち向かわなくては・・・・
これは、必ず合格しなくてはいけない道徳のテストだ」と考え続け
行動して、今年のノーベル平和賞に輝いた

児童の酷使などを禁じた「子どもの権利条約」が採択されてから
昨日でまる25年たった
私たちはまだまだ、テストに合格しそうもない

<ナンテンの赤い実がなりました>