日本の子どもの自尊心 自己主張をどう育むか 佐藤淑子より その2

*日本の子どもは母子の言葉のやり取りで
日本型コミュニケーションを学んでいく。
明確な言葉で伝えるのではなく、
あいまいな生返事、不機嫌さ、
目顔で否定的感情をほのめかし、
しつけをする。

子どもは母親の気持ちを推測し
自分の行動を律する。
「あいまいでありながら強い規範を内包する日本文化」は
母親を通して幼児期から子どもに伝えられていく。

親による子どもへの高い発達期待と、
あいまいな感情表現のコンビネーションによる子育ては、
子どもが我慢強く達成の能力が高いときには
うまくいくかもしれない。
どこまで努力すれば母親が満足してくれるのか
わからないゆえに、かえって動機づけがより長く
持続することもあるだろう。

しかしながら
その一方で子どものコミュニケーション能力や
達成への自信がまだ十分でないときには、
どこまで努力しても認められないと感じる
心理状態に陥り、低いセルフ・エスティームに
つながるリスクもある

*自己開示とセルフ・エスティームの間には
かかわりがあるといわれる。
前述の精神科医のアンドレとルロールは
自尊心を高めるには「自己開示」できる領域を
増やすことだとアドバイスしている。

「自己開示」する領域を増やすことは
自分の短所を認めることにつながる。
そして短所を認めて自分を変えていく努力をする
意思を持つことが、自己受容、セルフ・エスティームの
向上につながるという