紙つぶて 変わらないこと 稲垣栄洋 より

テレビ番組の企画で、繁華街の雑草を
見て歩きました。都会には雑草はないと
思うかもしれませんが
意外と見つけることができます

歩道で踏みつけられながら雑草は
小さな花を咲かせています
どんな場所であっても、必ず花を咲かせて
種を残すのです

すごいところはそれだけではありません
雑草は条件が良い時には花を多く咲かせて
種をたくさんつけます

当たり前の様に思えますが、他の植物では
条件が良すぎると、葉を茂らせたりしてばかりで
種の数が少なくなってしまうことがあります

一方、雑草は条件が悪くても、条件が良くても
最大限の種子を残すのです

雑草は環境に合わせて姿かたちが大きく変化します
数メートルにもなるはずの種類が
数センチで花を咲かせていることがあります

また、直立するはずの種類が横に伸びていたりします
この様に変化する力を「可塑性」と言います
雑草は可塑性が大きい植物なのです

雑草が自在に変化することができるのは
「変化しないもの」があるからです

雑草にとって大切なことは種を残すことです
目的が明確だからこそ、そのための道筋は
自由に変化させることができます

大切なことを見失わない生き方、
それが雑草の変化する力なのです

<オオイヌノフグリが咲いています>