世界に築いた日本の存在感 内山節より

日本の経済力が作り出した存在感とは何か
それはメード・イン・ジャパンに対する
世界的な信頼である

世界の人々の中では、確かなものをつくりだしている国
という信頼があり、だが世界の経済システムの覇者ではない
つまり存在感はあるが大国ではない国
それが戦後の日本の経済力だ

いまでは新しい存在感も生まれている
和食、アニメ、まんが、東京ファッション、日本文化
若者の音楽などを含む様々なサブカルチャー

東日本大震災のときには、略奪、暴動などが
起こらなかったことが世界の人々を感嘆させた

存在感はあるが大国ではない国
それが戦後の日本だといってもよい

そしてそれは、今の日本の大きな財産である
世界の人々の信頼や高い評価はあるのに
世界の覇者ではないという独特の位置を日本は築いたのだから

あるいはこの財産をもとにして
覇者のいない平和な世界を提案していく基盤を
日本は持っているのだから、である

この財産に気づかずに、大国になろうとする
野望を抱くのは愚かなことだ

課題は世界の人々の信頼をより高めながら、
にもかかわらず大国ではない姿を磨き上げていくことのである

それは新しいものと古い文化が調和している社会とか
世界一子育てがしやすい国
高齢者の社会参加や企業の社会貢献が進んでいる国
自然エネルギーの利用度の高い国
といったものであって、それがより存在感のある
日本を作っていく方法なのだと思っている

<サクラソウが咲きました>