日本人はなぜ考えようとしないのか —福島原発事故と日本文化—

新形信和より その4

安全神話の内実はどのようなものだったのでしょうか
2012年の8月に東電は「事故対応を収めたテレビ会議録画」を
加工したうえで部分的に報道機関に公開しました
(公開するかどうかの権限は東電の側にあるのです)

この不十分ながらも公開された録画によって明らかになったのですが
非常用ディーゼル発電機が水没して使用不能になり
全交流電源を喪失するという事態が生じ
バッテリーが必要になったそうです

ところが、福島第1原発には予備のバッテリーの
備蓄がなかったというのです
(一事が万事といいますが、これは万事のうちの一事に過ぎません)

それで構内にあったバスや乗用車のバッテリーを取り外して
使ったのですが、バッテリーの数が足りなくなってしまい
県境にあるお隣の茨城県いわき市のホームセンターまで
所員がバッテリーの買い出しに行ったというのです
その時、購入するための現金が足りなかったために
急きょ、所員からお金をかき集めて出かけたそうです

信じられないようなお粗末な話です
しかし、このような事例は事故の発生時に限られたことではないのです

<マツムシソウが咲きました>