日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか その12

児童精神科医の現場報告 古荘純一

私がいつも気になるのは、今子育てをしているお母さん・お父さんたち自身が
自尊感情を保てていないのではないかということです

第2章でお示ししましたQOL尺度調査は高校1年生までの結果です
子ども自身が答えたQOLは高校1年生が最も低く、
中でも自尊感情の低下が目立っています

その後、高2、高3と学年が上がるにつれてQOLが改善していくことを
願いたいのですが、そのまま低い状態で社会参加したり
家庭で子育てを行うことになると自尊感情は回復しないのではないかと
危惧しています

私は母親(もしくは父親)が、自分の自尊感情が低いことを子どもに投影してしまう
(自分自身の、特に子どもの頃のネガティブな思いを自分の子どもに見出してしまう)と
子ども自身も自尊感情が保てなくなるのではないか、と思っています

子どもは、家庭でも地域でも学校でも常に弱い立場ですから
大人の不安はそのまま子どもたちの不安になってしまいます
親が不安を感じれば当然子どもも不安を感じます
親が自尊感情を保てなければ、子どもたちも保つことができません

<ネジバナが咲きました>