THE BIG ISSUE JAPAN 268より

アルン・ガンジー氏はマハトマ・ガンジーの
5番目の孫で永年ジャーナリストとして活動した

祖父と暮らした18カ月にガンジーは
孫のために毎日1時間を確保し
平和と非暴力についての持論と日々の実践について
説いたという

私たちは大多数の人々にとって利益となる
民主主義の概念に基づいてきた

実際は51%の人間が豊かな暮らしを送り
49%が餓死していても私たちは満足している

ガンジーはこの状態は不条理であると退けた
紛争や不満を終わらせるために
私たちは世界中のすべての人たちの利益を確保しなければならない
ガンジーはこの考えを「サルボダヤ」と呼んだ

現代の暴力の文化では私たちはナショナリズムを信じ込み
他人を踏み台にして自分の国が成長するように教わる

このような文化は安定と治安を生んでこなかった
それどころか、世界で自分がいる場所を守るために
大量破壊兵器を作る軍需産業を発展させてきた

作った兵器はすべて使用されなければならず
軍需産業への投資は正当化されなければならない

そのため 世界は死の産業で利益を上げるために
絶えず紛争に身を置く必要が出てくるのだ

私たちに内在する期待はどこの政治家も言う様に
「悪人」を全員排除すれば世界は善を享受できるというものだ

しかし、私たちは真実を忘れてしまっている
その真実とは私たちはみんな、自分が直面する状況次第で
「善」も「悪」も為すということだ

今こそ私たちはどの国の安定と治安も
世界全体の安定と治安に依存していることに気づくべき時だ

私たちはみんな相互につながり、相互に関係し、相互に依存している
私たちが世界中の人々に「全員の利益」を確保しない限り
私たちは決して平和には暮らせない
それはつまり物質主義と道徳の公平なバランスを見つけるということだ

一方のために他方を犠牲にすることはできない
大量破壊兵器に数兆ドルを費やす状態をずっと続けていながら
世界の半分を飢えと貧困状態にしておくことはできない

各国では毎年数10億ドル分の食料を廃棄しているが
その一方でそれぞれの国で数100万人が絶えず飢餓状態にある

1世紀近く前、ガンジーは人間性を救済する唯一の方法は
暴力の文化を廃止し、非暴力の文化と取り替えることだと言った

暴力は人間の最悪の面を引き出すが
非暴力は人間性の賞賛すべき面—
思いやり、愛、敬意、受容、真の理解を引きだす

私たちが真に文明人となるのはその時だ

<ケイトウの花が咲きました>